私は独学でインテリアコーディネーターの試験に合格しました。10月に実施される1次試験の2ヶ月前から勉強をはじめ、無事に1次試験に合格し、2次試験は1次試験終了後に勉強を開始しました。
そしてストレートで合格!勉強期間は合計4ヶ月。
これから独学でインテリアコーディネーター試験を受ける方に向けて、私が合格するまでに使用したテキストや、おこなった勉強方法、試験当日の様子などリアルにレビューしたいと思います。
この記事はこんな方向け
- 独学でインテリアコーディネータ試験の合格を目指している方
- インテリアコーディネーター試験のおすすめテキストを知りたい方
- インテリアコーディネーター試験の1次試験・2次試験の受験者の体験記を読みたい方
インテリアコーディネーター資格の概要
最初に簡単にインテリアコーディネーター試験概要について触れておきます。
試験日 | 1次試験 毎年10月 2次試験 毎年12月 |
---|---|
試験時間 | 1次試験 160分 2次試験 180分 |
試験内容 | <1次試験> ・インテリアコーディネーターの仕事 ・インテリアの歴史 ・インテリア環境 ・建築について ・インテリアに関する法律 など <2次試験> ・図面の作成 (平面図・立断面図・パースなど) ・論文 |
受験資格 | なし |
受験料 | 【基本タイプ】14,850円(税込) ※一次試験に合格したら2次試験も受けられるタイプ 【一次試験先取りタイプ】11,550円(税込) ※一次試験のみ受験可能 |
※その他の詳細については「公益社団法人 インテリア産業協会」の公式ホームページをご確認ください
インテリアコーディネーターの試験は、毎年10月に実施されます。1年に1回しか受験できないため、ストレートで1次試験も2次試験も合格したいですよね。
不安に思う方も多いかもしれませんが、私はインテリア系の仕事も勉強もしていないのに、4ヶ月の勉強で合格ができました。
それは、効率的にポイントをおさえて勉強できたからだと思います。勉強の方法など自分に合う合わないがあると思いますが、私が合格するために使ったテキストや、勉強方法をお伝えさせていただきますね。
おすすめテキスト(1次・2次共通)
私がインテリアコーディネーター試験を受験するにあたって準備した教材は、次の2つです。
- ユーキャンの通信講座
- HIPSさんの予想問題集
1次試験・2次試験共通で、上記の2つを選択しました。
ユーキャンの通信講座
出典:ユーキャン
インテリアコーディネータの資格試験は、
- 1次試験(筆記試験※マークシート)
- 2次試験(図面作成・論文)
に分かれていますが、それぞれのよい教材を、探し出して購入するのが面倒だったので「ユーキャンの通信講座」に決めました。
「初心者にもわかりやすい」という口コミも多くみられたので、選びましたが口コミどおり、カラーで見やすく初心者でもわかりやすように丁寧にまとめられているテキストでした。
インテリアの名称がわかりやすく写真にまとまっている「インテリアエレメント集」などもあり、実物を見なくてもイメージを持って勉強することができました
ユーキャンの教材を選んでよかったと思っています。
実際に試験会場に行った際も「ユーキャンの教材」を持っている人を何人も見かけました。
「ユーキャンの通信講座」に含まれる教材は以下の通りです。
- メインテキスト:3冊(1次試験2冊、2次試験1冊)
- 写真資料集『インテリアエレメント』
- 基礎力強化問題集
- 解答力養成問題集2冊
- 資格試験問題集(2回分の過去問題)
- 攻略ワークブック(2次試験用です)
- まるごと覚える!1次試験の重要ポイント集
- ガイドブック
- その他添削関係書類
費用は一括払いの税込で59,000円です。
2次試験の図面や論文に関しても、添削をしてもらえるので、独学で受験する人にとっては安心ですよね。
初心者の私が、たった数ヶ月の勉強で合格できたのは、ユーキャンのテキストや教材が良かったからだと思っています。
どこの教材を購入しようか迷っている方がいたら、私はユーキャンがおすすめです。
HIPSの予想問題集
ユーキャンの教材だけでは問題数が足りないと感じたので、HIPS(ハウジングエージェンシー)さんの問題集を購入しました。
HIPSさんは、インテリアコーディーネーター資格の様々なテキストや問題集を発行している会社です。私は、HIPSの問題集を1次試験用で1冊、2次試験用に1冊の合計2冊を購入しました。
HIPSさんは「過去問題徹底研究」も発行していますが、過去問題はユーキャンの通信講座にも2回分含まれていたので、それで良しとして「予想問題集」だけを購入しました。
これが中々難しく、いろいろと調べながら問題を解くので勉強が深まりました。また、「ユーキャンのテキストにも記載していなかった」問題が実際の試験にも出たので、「予想問題集」は購入してよかったなと思いました。
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もちろん、教材に充てられるお金がある方は、HIPSさんの「過去問題徹底研究」も買った方がよいと思います。5年分の問題が掲載されているため、出題傾向が分かりますし、問題数をこなすことにより自信も得られるはずです。
1次試験は上巻と下巻の2冊に分かれています。
「上巻」
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「下巻」
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「2次試験」
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インテリアコーティネーター1次試験対策
1次試験合格までの勉強方法
私はもともとインテリアに興味があったものの、特に専門的な勉強はしておらず、ほぼ初心者の状態での勉強スタートとなりました。
1次試験日は10月だったのですが、勉強をはじめたのは2ヶ月前の8月1日からです。
ほぼ2ヶ月の勉強で1次試験を合格できました。1日の勉強時間は1時間~2時間ほどです。
1次試験のために具体的に行った勉強は、
- ユーキャンのテキスト(300ページくらいのもの2冊)を3回ずつ読む
- ユーキャンの問題集を2回ずつ解く
- HIPSの予想問題集を3回ずつ解く
の以上です。
ユーキャンの問題集は、問題の内容的には少し簡単だと思いました。ですが問題の量が多いので1回解くだけでかなり基礎力を付けることができました。
HIPS予想問題集は難しいです。予想問題が、実際に1次試験に出なかった問題もたくさんありましたが、出た問題もあります。予想問題集とはそういものですね。
一番効果があったのは「テキストを3回読む」です。1次試験はひねった問題は少ないので、記憶力との勝負です。読んで覚えた分だけ正解率が上がると思います。
1次試験は「ひたすら過去問題を解いた方がよい」という意見も聞きますが、確かに過去問題を解くことは、問題傾向を知るためには必要です。
ですが、問題を解いているだけでは体系だてて勉強ができないため、テキストを熟読することもおすすめします。
1次試験当日について
初めて試験を受ける方向けに、当日の様子もお伝えしておきます。
私は名古屋での受験だったのですが、会場は「名古屋市立大学」でした。
受験票には、「公共交通機関でお越しください」と記載がありましたが、電車は面倒くさいので車で行き、近くのコインパーキングに停めました。
「満車」になっているかな?と思いきや、意外に「空」があったので、「公共交通機関」で来場する人の方が圧倒的に多いようでした。
試験会場は、いたって普通の大学の教室です。部屋には時計がありましたが、会場によってはないところもあるようです。
1次試験の合格判定サービスについて
試験当日に受験会場の前(大学の敷地に入るまでの道)に「HIPS」の社員の方?が何人も立っていて「試験のポイント集」などを配っていました。
また「HIPS」さん独自でおこなっている「合格判定サービス」の案内をしていました。
合格判定サービスとは?
インテリアコーディネーターの1次試験の合格判定をしてくれるサービスです。インターネット上で、自分の回答した番号を入力し、入力してから3日後には登録したメールアドレスに合格率が送られてきます。
私も利用してみましたが、「判定A」」(※8割以上の確率で合格)が出て、迷いなくすぐに2次試験の勉強をはじめることができたため、このサービスを使ってよかったです。(利用するとHIPSさんから2次試験対策講座の案内メールがたくさん届きますが…)
HIPSさんは、2次試験の対策講座も実施しているので、不安な方は受講をしてみるもの良いかもしれません。
インテリアコーティネーター2次試験対策
2次試験のために準備する道具
2次試験は「実技」で平面図や立断面図、パース、アイソメ図を描く必要があるので、図面を書くために必要な道具がいくつかあります。
インテリアコーディネータ協会にて、当日持ち込みできる道具は、以下と決められています。
●鉛筆またはシャープペンシル
(硬度は問わない。万年筆・ボールペンは不可)
●プラスチック製の消しゴム
●直定規(30㎝以内)
●三角スケール
●三角定規
●勾配定規
●コンパス
●ヘキサスケール
(直定規と三角スケールの機能のみを持つもの)
●型板(テンプレート)の円定規だけのもの
(なお、一部に角度表示のあるものでも可)
●字消し板
●製図用ブラシ
●色鉛筆(2018年度から18色以内とする。色の選択は自由)
※ 軸(木や紙)に芯を通した色鉛筆に限る
全体が芯でできたもの等は不可
●ミニ鉛筆削り
(削りカスが散乱しないように注意してください)
引用:公益社団法人 インテリア産業協会
しかし、これらすべて買いそろえるには、少しお金がかかり過ぎてしまいますよね…。私は最小限必要なものだけを購入して持ち込みました。私が持ち込んだものは以下です。
※この写真は実際に私が持っていった道具の一部です。左から「三角スケール」「三角定規」「円型版」「字消版」
●シャープペンシル
100円均一で買った「0.5」の芯用のシャープペンシルです。製図用のシャーペンは価格が高いので、普通のシャーペンにしました。ただ細かい描写もできるように芯が細いものを選びました。
●消しゴム
ロフトで厚さの薄い消しゴムを2個ほど買いました。1個100円もしないので150円くらいでした。図面を書く際には細かい部分を消す必要があるのですが、厚さが薄い消しゴムは、細かい部分も消しやすかったので役立ちます。
●三角スケール
これは尺度を図るものなので必須の道具です。文房具屋さんで買おうとすると、1,000円を越えてしまいますが、私は100円均一(ダイソー)で購入しました。
ダイソーも置いてある店舗と置いていない店舗があり、3店舗ほど回って大きめの店舗でようやく購入することができました。価格が高いものと比べてサイズは小さいですが、不足はありませんでした。
●三角定規(2枚組 定規メモリのはいっているもの)
三角定規は垂直線や平行線を書くために必須ですが、メモリが入っているものを購入し直定規を持ち込まなくて済むようにしました。あまりサイズが小さいものだと、長い線が引けないので一番長い辺が15㎝以上あるものが望ましいです。
●型板
円(照明や開き戸の表現など)を書くための定規です。私は母が持っていたのでそれを利用しましたが、100円均一にも売っています。
●字消し版
これは最初は「必要ないかな」と思い購入しませんでしたが、線を消す際にどうしても消したくない部分を消してしまったり、図面が黒く汚くなってしまいがちだったので一番最後に購入しました。
●色鉛筆と鉛筆削り
色鉛筆は2018年度から、それまでの12色から18色まで持ち込めることに、変更となりました。私は24色色鉛筆の中から良く使用する18本を持っていきました。
フローリングや家具に使用する「茶色系5本」、畳や植物用に「緑系3本」、照明用の「黄色系2本」、キッチン周り用で「グレー系2色」、ソファーやその他家具用で「青系を3色」、あとはアクセントカラーでオレンジや赤系を持っていきました。
消しゴムのカスを払う「製図用ブラシ」は購入を悩みましたが、手で払うくらいで、図面がすごく汚くなるわけではなかったので使用しませんでした
2次試験合格までの勉強方法
私は、1次試験終了後の10月の2週目から勉強をはじめました。2次試験は12月初旬なので、勉強期間は2ヶ月弱。
そして、1日の勉強時間は、2時間~3時間ほど。1次試験は1日1~2時間ほどで充分でしたが、2次試験は1日の勉強時間が多くなりました。
1つの図面を描くのに、3時間はかかってしまうためです。
2次試験の試験時間は3時間で、多い時はその3時間内に3つの図面を描かないといけません。
1つの図面に3時間もかけているようでは全然だめなのですが、慣れると1つの図面が1時間くらいで描けるようになります。
2次試験のために具体的に行った勉強方法は、次の通りです。
- ユーキャンの2次試験のテキストを読みながら「ワークブック」を解く
「ワークブック」は、ユーキャンの教材一式の中に入っている、2次試験用の問題集です。基本の線の書き方から、試験問題レベルのものまで20回分ほどあります。 - HIPSの「予想問題集」を2回通り解く
解答用紙が1枚しかないのでコピーして2回通り解きました。
ネットで合格者の体験記を読んでいると、皆さん口をそろえて「図面を書いた分だけ合格に近くなる」と書いていますが、私も実際にその通りだと思います。
最初は、平行線や垂直線を書くのさえ難しく、
「真四角を書くのってこんなに難しいのか!」
というレベルだったのですが、1次試験を合格してから2次試験までの約2ヶ月で、上記の問題をこなし合格することができました。
論文については、それほど負荷はないと思います。
ユーキャンの2次試験のテキストの出題傾向や、HIPSさんの予想問題集を1回読んだり解いたりするだけで充分だと感じました。
論文の勉強に時間をかけるよりも、図面を少しでも早く書き上げるために、1枚でも図面多くかけるように、時間を使う方がよいと思います。
文章を書くのが苦手な方は、2回通り「読む」・「解く」をおこなった方がよいかも?
2次試験当日について
2次試験当日の様子をお伝えしておきます。
私は名古屋受験でしたが、2次試験の会場は「名城大学薬学部八事キャンパス」でした。
車で行きましたが、周辺の駐車場が割と混雑していて、少し離れた駐車場に停めたので、車で行く際は注意が必要です。(もともと車通りの多いエリアなので受験者が停めているわけではないようです)
会場に着くまでは、大きな大学の教室なので、机の幅も広いのかなと思っていましが、会場に到着して、机が狭いことにとても驚きました。
受験する部屋は、大きめの講堂のような教室でしたが、すぐ隣の席に人が座るので、横幅は自分の体の幅くらい、縦幅も試験用紙が置けるくらいの狭さでした。
机の狭さは会場にもよると思いますが、2次試験は使用する道具が多いので、なるべく筆箱は小さく、持ち物もコンパクトにまとめるのがよさそうです。(試験中に周りの人が何人も、消しゴムやペンなどを「ぼとぼと」落としていて、試験監督に拾ってもらっていました)
2次試験の合格ラインについて
2次試験について、「どの程度で合格できるか」が、ネットサーフィンしていてもよくわからないですよね…。私は、試験が終わった後、自分が合格しているとは思っていなかったので、合格していて驚きました。
そこで、あくまで私の感覚ではありますが、参考として「自分の中での出来具合」についてお伝えしたいと思います。
●論文は550文字~600文字以内が1問
⇒590文字で、割とまとまった文章で書けたと思います。文章構成を練ったりせずに思いついたことから書いていきましたが、筋が通っていれば多少文章構成が乱れていても問題なさそう。
●図面は私の時は平面図1問と立断面図が2問
⇒立断面図が2問も出るとは思っていなかったので、かなり焦りました。
立断面図は細かな描写が必要なので、時間がものすごくかかります。3問とも描ききることはできましたが、焦っていたため平面図と立断面図との矛盾が数箇所あったと思います。
また、時間が無く着色の時間がほとんどありませんでした。なんとか色付けをささっとした程度で、フローリングの線など、自分でも笑ってしまうくらい曲がっている上に、平行でもない、線の太さもばらばら、パッと見の印象はひどいものだったと思います。
図面に関しては、出来栄えの印象がひどかったため、「落ちたかなぁ」と思っていましたが、それでも合格したので、
着色はそれほど神経を使うところではないんだろうなぁ
というのが実感です。特にフローリングの線など。
私は「2次試験はどこまで丁寧に描くか」が悩みどころでしたが、上記のことを踏まえると、
問題に明記されていない部分、それこそフローリングの線や家具の影を表現するような部分は手を抜いてもよいのかもしれません。
まとめ
私がおこなった、インテリアコーディネーター試験の勉強方法についてお伝えしました。これから受験される方にとって、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
ちなみに、2次試験に合格した後、インテリア産業協会に会員登録すると、この写真のようなインテリアコーディネーター証が届きます。自分の写真入りで作成してくれます。
免許証みたいで、「資格をとった!」という実感が持ててうれしいですね。
この写真は受験票に貼った写真なので、受験票に貼る写真は自分のお気に入りの写真を選ぶことをおすすめします
インテリアコーディネーターの資格を持っていると、建築会社や不動産会社への就職や転職に有利になります。
特に中途採用の場合は、インテリアコーディネーターの経験かインテリアコーディネーター資格が必須になっている求人が多いため、未経験でこの仕事に就きたい場合は必須の資格です。
私は未経験でしたが、インテリアコーディネーターの資格を取得してから、住宅メーカーでインテリアコーディネーターとして働くことができました。
私がインテリアコーディネーターとして働いたお仕事レビューを、下記にまとめているので、インテリアコーディネーターの仕事に興味がある方はぜひご覧ください。