【秘書職レビュー】普通の事務とは何が違う?私が役員秘書の5年間で手に入れた「一生モノの気配り」と黒子の覚悟。

【秘書職レビュー】普通の事務とは何が違う?私が役員秘書の5年間で手に入れた「一生モノの気配り」と黒子の覚悟。 お仕事図鑑
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派遣や正社員の求人サイトで「秘書」という募集を見かけると、なんだか響きがカッコよくて華やかそう、一度は挑戦してみたいなと憧れる女性も多いのではないでしょうか。でも同時に、「普通の事務職とは何が違うの?」「高いマナーや専門スキルがないと難しそう…」と不安を感じることもありますよね。

今回は、派遣社員として大手企業の部長秘書を2年間、その後転職をして正社員として同じく大手企業の役員秘書を3年間、計5年間にわたり秘書職の最前線を経験したことのある私が、実際の仕事内容や職場の雰囲気、時給、働きやすさのリアルをお伝えします。

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知っておきたい、役員秘書と部長秘書の違い

秘書の働き方は、担当する役職者によって大きく2つに分かれます。社長や副社長、専務や執行役員などをサポートする「役員秘書」と、各現場のトップを支える「部長秘書(または室長秘書)」です。

会社規模にもよりますが、基本的に役員秘書は1人の役員に対して専任でつくことが多く、より濃密な1対1のサポート能力が求められます。一方で部長秘書などは、部内の庶務や一般事務をこなしながら部長のスケジュールも管理する「兼務」になることが多いのが特徴です。

【秘書の業務難易度】求められるスキル感と仕事の正体

「秘書って、具体的にどんな難しい仕事をしているの?」と思われるかもしれませんが、業務の本質は極めて「地味で細かな事務作業」の積み重ねです。

主な仕事内容は、スケジュール調整、出張手配、慶弔関係の手配、接待のお店探しや手土産の準備など。その中でも、業務全体のじつに5割を占める最重要タスクが「スケジュール調整」です。

仕事ができる忙しい役職者のもとには、社内外から「役員の時間を頂戴できないか」という問い合わせが電話やメールでひっきりなしに届きます。秘書はこれらをパズルのように組み合わせるのですが、役職者の突発的な優先案件が入ると、せっかく苦労して組んだ予定が綺麗さっぱり吹き飛ぶことも日常茶飯事。関係各所へお詫びをしながらリスケの連絡を入れ、毎日毎日スケジュール調整に頭を悩ませることになります。

また、出張手配にしても、新幹線や飛行機の日付・時間を間違えることは絶対に許されません。宿泊先のホテルがいまいちだと秘書としての矜持が傷つくため、クチコミサイトを必死に調べたり秘書仲間への徹底的な調査をしたりと、スピードよりも徹底した「先回りの確認能力」と「正確性」が求められる業務難易度です。

【働き方のリアル】残業と時間のコントロール度

時間のコントロール度について、役員秘書としてフルタイムで働いていた私のとある1日のタイムスケジュールをご紹介します。

時間 業務内容(タイムライン)
9:00 出勤
9:00-9:15 メールチェック(予定変更がないか) ➔ 役職者へ1日の予定説明、指示受け
9:15-11:00 詳細なメール返信、ひっきりなしの電話対応、スケジュール調整、接待店探し、慶弔手配
11:00-12:00 秘書部内のミーティングや情報共有
12:00-13:00 ランチタイム(しっかり休憩してリフレッシュ)
13:00-13:30 旅行会社と出張手配を兼ねた打ち合わせ
13:30-17:45 チケット等の出張手配、突発的なスケジュール調整、経費精算、電話対応
17:45-18:00 役職者と翌日の予定確認、その他最終の依頼事項の確認
18:00 退勤(役職者の状況により、急な残業が発生することも)

文字に起こすと穏やかに見えるかもしれませんが、実際は「スケジュール調整」と「電話対応」に凄まじい時間と神経を割かれるため、決して楽な仕事ではありません。

時間のコントロール度という意味では、良くも悪くも「すべて担当する役職者の動きベースで動く」というリアルがあります。突発的な予定が入れば自分の作業は後回しになりますし、役職者が遅くまで残っていると先に帰りづらい空気があるなど、自分のペースで時間を支配したい人にとっては少しコントロールしづらい環境です。ただし、派遣社員であれば過度な残業を求められることはほぼなく、基本的には定時で綺麗に上がれるケースが多いので、雇用形態を賢く選ぶのも戦略の一つです。

【職場のカルチャー】華やかなイメージとのギャップ

秘書と聞くと「ドラマのように華やかでスマートな世界」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際のカルチャーは非常に人間臭く、「会社のトップを影から支える究極の黒子(サポート役)」です。

社風によって秘書部の雰囲気はガラリと変わり、若手を中心に構成する企業もあれば、老舗企業のように「新入社員の頃からずっと同じ役職者を支え続けている」というベテラン女性たちがずらりと並ぶ、縦社会のカルチャーを持つオフィスもあります。

5年間経験して気づいた最大のギャップは、秘書という職種は一般社員から一目置かれやすく、役職者と同じように丁寧に扱われることが多いため、「非常に自尊心が満たされやすい反面、勘違いを生みやすい空間でもある」ということです。

偉いのはあくまで担当している役職者であって自分ではないのですが、特別な環境に身を置くうちに、つい自分まで偉くなったように振る舞ってしまう秘書も少なくありません。常に一歩引いて、自分の感情を抜きにして周囲に気配りをするという、高い精神的な自立が求められます。

【収入と待遇】リアルな相場感とキャリアの価値

気になるお給料や転職市場での強さですが、秘書職、特に「役員秘書」の経験は、他の一般事務職と比べても待遇面・キャリアバリューともに頭一つ抜けて高い相場感を誇ります。

派遣社員の場合でも、一般事務より時給が高めに設定されていることが多く、一度「役員秘書」としての職歴を作ってしまえば、転職市場での価値は絶大です。派遣の秘書募集であれば書類選考が1発でするっと通ったり、即座に採用が決まったりすることもめずらしくありません。キャリアを重ねていくほど、同じ会社で長く重宝される専門性の高い職種です。

さらに、働くことで得られる「教養」も非常に大きいです。会社の代表として恥ずかしくない慶弔関係(結婚や葬儀など)の厳格なマナーや電報・供花の手配、一流の洗練された正しい言葉遣いが毎日の電話対応のなかで自然と身につきます。綺麗な話し方や大人の上品な振る舞いは、どんな職場に行っても、そしてこれからの人生のあらゆる場面でも、自身の価値を格段に高めてくれる一生モノの財産になること間違い無しです。

【向き不向き】こんな人におすすめ・ちょっと合わないかも

特別感や高いキャリアバリューがある反面、黒子としての細やかな気配りが求められる秘書職。こちらも「私の性格や理想のライフスタイルに合うかな?」と迷う方のために、リアルな向き不向きをまとめました。

まず、秘書の武器をフルに活かして輝けるおすすめな女性は、以下のような方です。

  • 「自分が前に出て成果を出す」よりも、実力のある人を影からサポートし、感謝されることに深いやりがいを感じる方
  • 急なスケジュール変更やトラブルが起きても、感情的にならず「仕事は仕事」とクールに割り切って臨機応変に対応できる方
  • 相手が何を求めているかを先回りして察知し、おもてなしの心や「気が利く」行動を自然に取ることができる方
  • 自分のせいでないドタキャン対応や謝罪の場面でも、相手を不快にさせないスマートな言葉選びやコミュニケーションができる方

一方で、「少し合わないかもしれない、注意が必要な女性」は、以下のようなタイプです。

  • 他人に振り回されるのが苦手で、あらかじめ決められた自分のタスクを自分のペースで淡々と処理していたい方
  • 人に対してすぐに「この人とは合わないな、好きじゃないな」という個人の感情を仕事に持ち込みやすい方
  • 相手によって態度を変えてしまったり、一目置かれる環境に甘えて周囲に対して伟そうな態度を取ってしまいがちな方
  • スケジュール調整や飛行機の時間確認など、細かく絶対にミスが許されない緻密な確認作業がどうしても苦痛な方

【まとめ】この職場を経験して得られたもの

秘書として駆け抜けた5年間を振り返ると、仕事内容自体は地味でミスが許されないプレッシャーもありましたが、女性が「どこへ行っても一目置かれる美しいマナーと、圧倒的な市場価値」を賢く手に入れるための、リターンの大きすぎる時間だったと感じています。

この仕事は、「人を支えることが心から好きで、洗練された大人の気配りと言葉遣いを身につけて、自分のキャリアを一段上に引き上げたい女性」に間違いなくおすすめです。あなたの仕事選びの参考になれば幸いです。


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