派遣や在宅ワークの求人サイトで、常に圧倒的な募集数を誇る「コールセンター」のお仕事。オフィスワークのなかでも頭一つ抜けて高い時給や月給が設定されていることが多く、「未経験からでもしっかり稼げそう!」と魅力的に映る反面、「クレーム対応が大変そう…」「メンタルが削られるって本当?」と不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
実は私も、友人から「コールセンターは本当に大変だよ…」と聞いて少し敬遠していたのですが、あるとき抜群に条件の良い求人を見つけ、思い切って大手メーカーのカスタマーサポートセンター(インバウンド業務)へ飛び込んでみたのです。
結果からお伝えすると、前評判で聞いていたとおりのハードさで、私は精神的にも身体的にも限界を感じ、なんとわずか4ヶ月で潔く退職することになりました。今回は私にはどうしても合わなかったこの職種のリアルな仕事内容や、短期間で辞めるに至った理由、メリット・デメリットを赤裸々にお伝えします。
知っておきたい、インバウンドとアウトバウンドの違い
コールセンターの業務は、大きく分けて2つあります。お客さまからの入電を専門に受ける「インバウンド(受電)」と、こちらからお客さまに電話をかけて商品の案内や営業を行う「アウトバウンド(架電)」です。
求人の大半を占めるのはインバウンドで、私が経験したのもこちらのお客さま相談窓口でした。私が配属された大手メーカーのカスタマーサポートでは、商品の使い方に関する質問が5割、修理の依頼が3割、そして製品への不満やクレーム対応が2割といったバランス。私が経験した、戦場のような日々のリアルを丁寧にお伝えしていきます。
【コールセンターの業務難易度】求められるスキル感とシステマチックな評価
「電話の相手をするだけなら、そこまで難しくないのでは?」と思われがちですが、大手のコールセンターにおける業務運営は、想像以上にシステマチックで高いスキルが求められます。
まず、かかってくる質問内容は千差万別。相手の商品知識や理解度に合わせて分かりやすい言葉を選び、相手が上手く説明できない困りごとをこちらからの質問で探究していくという、高い「コミュニケーション能力」と「臨機応変な対応力」が必須となります。
また、仕事ぶりに対する評価の物差しが非常に明確です。通話終了後にお客さまへ届くメールアンケートの満足度、すべての通話録音から正しい言葉遣いができているかを審査する社内監査、さらには「1日に電話を取った本数」「保留の回数や通話時間」にいたるまで、細かな指標がWeb上でいつでも確認できるようデータ化されています。
頑張りがそのままデータとして時給アップに反映されるシステムのため、数字で客観的に評価されたい成果主義タイプの方にとっては、難易度は高くてもモチベーションを保ちやすい仕組みです。さらに評価が高ければ、メール・チャット対応の専門部署やバックオフィスへのキャリアパスも用意されています。
【時間のリアル】分刻みで管理される1日のスケジュールへの驚き

カスタマーサポートとして1日8時間フルタイムで勤務していた私の、とある1日のタイムスケジュールをご紹介します。
| 時間 | 業務内容(タイムライン) |
|---|---|
| 9:00 | 出勤 |
| 9:00-9:15 | 全体朝礼(当日のトピックスや注意点の共有) |
| 9:15-11:00 | コールテイク(ひたすら電話を受ける) |
| 11:00-11:10 | 午前の指定休憩(10分間) |
| 11:10-12:00 | コールテイク |
| 12:00-13:00 | ランチタイム(しっかりリフレッシュ) |
| 13:00-15:00 | コールテイク(午後の受電スタート) |
| 15:00-15:10 | 午後の指定休憩(10分間) |
| 15:10-16:30 | コールテイク |
| 16:30-17:00 | チームミーティングや事例共有、ミニ研修 |
| 17:00-18:00 | 最後の追い込みコールテイク |
| 18:00 | 定時退勤 |
実際に身を置いてみて最も驚いたのは、休憩時間も含めて行動が分単位できっちり管理されているという時間の圧倒的なリアルでした。「本当にずっと電話が鳴り続ける仕事なんだ…」と、自由度の少なさに大きな衝撃を受けました。
もちろん閑散期であれば、1本の電話が終わってから次の入電まで20〜30分ほど空くこともあり、その時間は社内資料を読んだり周囲とのんびりお喋りしたりと穏やかに過ごせます。
ですが繁忙期ともなれば、電話が一切鳴り止まず、お客さまも待たされてイライラしているため、受電のループから一歩も抜け出せなくなります。時間にルーズな会社に疲れた人にとっては完璧なスケジュール管理ですが、自分のタイミングで席を立ったりお茶を飲んだりしたい人にとっては、かなり窮屈さを感じるコントロール度です。
【職場のカルチャー】ルール無用の自由さと、同僚との強い仲間意識
「どんな人たちが働いているの?」という職場のカルチャーに視点を当てると、ここは対面でお客さまと接しない職種だからこその、「服装や外見のルールが驚くほど厳しくない、自由でオープンな空間」でした。
髪型や髪色、派手なネイルや服装に関しても、基本的に周囲から注意されることはほとんどありません。オフィスカジュアルのルールに縛られず、大好きなファッションや自分らしいオシャレを妥協したくない女性にとっては、これ以上なく快適で居心地の良いカルチャーです。
また、「女性が多い職場だからドロドロした派閥とかあるのかな…」と身構えていましたが、実際の人間関係は予想外にさっぱりとしており、とても雰囲気が良かったです。
なぜなら、日々さまざまなタイプの入電に立ち向かうなかで、「理不尽なつらさを共有する、同僚同士の強い仲間意識」が自然と芽生えるからです。「さっきこんなびっくりする電話があって…」「ありえないよね!」と、お昼休みや休憩時間に笑い合いながらお喋りして発散できるため、職場の人たちの存在には本当に何度も救われました。
お互いの大変さが痛いほど分かるからこそ、足の引っ張り合いとは無縁の温かい結束力があるカルチャーです。
【収入と待遇】魅力的な高時給と、私が4ヶ月で辞めた最大の理由

お給料の相場感でいえば、コールセンターは一般事務職と比べても時給や月給が抜群に高く、待遇の良さは間違いなくトップクラス。しかし、私がその魅力的なお給料をすべて手放してまで、わずか4ヶ月でこの仕事を辞めたのには、どうしても耐えられない2つの理由がありました。
1つ目の理由は、やはり「一部の過激なクレーム対応が精神的に辛すぎた」ということ。全体の2割程度とはいえ、怒りに任せてぶつけられる言葉選びの残酷さは凄まじく、1本対応しただけで1週間は引きずってしまうほどの破壊力がありました。中には一次対応の女性を大声で罵倒して怖がらせ、上司に代わらせて金銭を要求しようとするような悪質なケースも。これまで大手企業の事務職として、オフィス内で怒られる経験などほぼ皆無だった私にとって、「世の中にはこんなに怖い人がいるんだ…」と、心が完全にすり減ってしまいました。
そして2つ目は、「ヘッドセットの長時間着用による身体的な限界」です。仕事中ずっマイク付きの重いヘッドセットを頭に装着しているため、その重みで激しい肩こり、さらには耳鳴りや頭痛が止まらなくなってしまいました。イヤホンに変えるなどの対策も試みましたが、電子機器に弱い私の身体にはどうしても合わず、心だけでなく体からも悲鳴が上がってしまったのです。これらが、私がコールセンターという職場を最速で去る決意をしたリアルな理由です。
【向き不向き】こんな人におすすめ・ちょっと合わないかも
お給料の高さや外見の自由度という大きなメリットがある一方で、心身へのプレッシャーも凄まじいコールセンター。こちらも、私の4ヶ月の実体験をもとに、向き不向きをはっきりと整理しました。
まず、コールセンターという戦場でタフに生き残れる女性は、以下のような方です。
- ネイルや髪色などのオシャレを絶対に妥協せず、事務職のなかでもトップクラスの高時給を効率よく稼ぎたい方
- 理不尽なお怒りや強い感情をぶつけられても、電話を切った瞬間に「まぁ、いっか!仕方ない」と1秒で気持ちを切り替えられるドライさをお持ちの方
- 1日に何度も初対面の人と話す作業が苦にならず、相手の理解度に合わせて臨機応変に会話の段取りを組み立てるのが得意な方
- ヘッドセットの着用や長時間のデスクワークを毎日続けても、肩こりや頭痛などの体調不良を起こしにくいタフな方
一方で、私と同じように「どうしても心が削られてしまう、避けた方がいい注意が必要な女性」は、以下のようなタイプです。
- 「もっと良い説明ができたのでは…」とお客さまとのやり取りを帰宅後もじっくり引きずって悩んでしまう、感受性が豊かで優しい方
- 大声での罵声や、トゲのある乱暴な言葉遣いに対して強い恐怖心やストレスを感じやすく、防衛本能が働いてしまう方
- 自分の行動を1分単位できっちり管理される環境が苦手で、オフィス内では自分のペースで適度にお茶を飲みながら進めたい方
- もともと体質的に電子機器に弱く、長時間のイヤホンやヘッドホンで耳鳴りや頭痛を起こしやすい方
【まとめ】「嫌ならやめていいんじゃない?」が教えてくれたこと
コールセンター働いた4ヶ月間は、私にとってお世辞にも「楽しかった思い出」とは言えません。そして、この挫折とも言えるスピード退職を経験して学んだこと、それは「どうしても無理なら今すぐやめていい!」ということ。
高時給だからと無理をして、心や体を壊してまでしがみつく価値のある職場なんて、この世に一つもありません。世間から「たった4ヶ月で辞めるなんて根性がない」と言われる筋合いもありません。潔く「次行こう!」と損切りして前に進めば、自分に合った職場は必ず見つかります。
合わない職場を経験の踏み台にして、次なるハッピーなライフステージへ賢く舵を切りたいですね。あなたの仕事選びの参考になれば幸いです。
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