派遣会社の求人サイトを眺めていると、時折見かける「大手証券会社」でのオフィスワーク。時給が高めに設定されていることも多くて魅力的ですが、「専門知識が必要そうで敷居が高そう…」「一体どんな雰囲気なの?」と一歩踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、誰もが知る国内最大手のメガバンク系証券会社(M社)の営業店で、派遣社員として3年間勤務したことのある私が、実際の職場の雰囲気や時給、得られるスキルや働きやすさのリアルをお伝えします。
このブログは、「女性の転職や自由な働き方」をテーマにしています。私はこれまで、派遣社員を中心にさまざまな雇用形態で、多様な業界と職種を経験してきました。
その経験をもとに、1つの会社や働き方に縛られず、もっと自由に、そして賢く仕事を選ぶ楽しさを感じていただけたらうれしいなと思い、この記事を書いています。
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現代の証券会社における「派遣の役割」とは?
かつては紙の「株券」を店頭に持ち込んで売買していた証券会社ですが、現在はすべての手続きがデジタル化されています。さらに昨今ではネット証券の普及によって、「わざわざ店舗の窓口に行く人なんているの?」と思われるかもしれません。
しかし、近年の新NISAの拡充や資産運用ブームに伴い、大手対面証券の店頭窓口は、じっくり対面で相談したいご年配の方や、初めての投資に不安を抱えるお客さまで連日とても活気があります。証券会社の営業店(支店)で募集される派遣求人は、主に店頭カウンターでお客さまに対応する「窓口業務」と、後方で書類を管理する「証券事務(バックオフィス)」の2つ。
私は窓口業務として働いていたので、窓口業務からみたこの職場のリアルを丁寧にお伝えしていきます。
【事務職の業務難易度】求められるスキル感
証券会社の事務や窓口と聞くと、もの凄く高い専門知識を求められそうですが、仕事の難易度は職種によって綺麗に分かれています。
まず、店頭カウンターでお客さまの前に立つ「窓口業務」。こちらは、初めて投資をスタートする方の相談対応や、オンライン操作が苦手なご年配の方から売買の注文を受け付けるのがメイン業務です。ここで実際の売買注文を受けるには、「証券外務員二種」という資格の取得が必須となります。資格さえ持っていれば、高度な経済シミュレーションをする必要はなく、丁寧な接客スキルがあれば十分にこなせる難易度です。この資格はお守りのように強く、一度持っておくと派遣会社から「また証券窓口で働きませんか?」と長く重宝されるようになります。
一方で、事務所の奥で書類のチェックや管理を行う「証券事務(バックオフィス)」。こちらは資格がなくてもスタートできる求人が多い反面、ミリ単位のミスも許されない究極の「正確性」が求められます。口座開設などの大量の書類を最終チェックする際、少しでも記入漏れやハンコの不鮮明さがあると本店の審査を通りません。スピードよりも、書類をじっくり精査する細かなチェック能力が求められるため、お大雑把な方には少し難易度が高く、コツコツ丁寧な作業が得意な方にはぴったりの業務です。
【働き方のリアル】残業と時間のコントロール度
時間のコントロール度に関しては、金融業界ならではの厳格なルールがあるため、派遣社員にとっては非常に残業が少なく、ワークライフバランスがとりやすい環境です。
証券会社は、株式市場(東京証券取引所)が動いている平日の「9:00〜15:30」の間が戦場です。市場が開いている時間は息をつく暇もないほどの忙しさですが、15:30に市場がカチッと締まった瞬間、店舗全体の空気は驚くほど穏やかになります。その後は当日の取引データの処理や書類整理を行い、定時になればピタッと業務終了です。
特に派遣社員の場合、契約時間外の残業を強いられることは滅多にありません。金融機関はコンプライアンスや労務管理が非常に厳しいため、ダラダラと残業をする悪しき習慣自体が会社として禁止されていることが多く、定時退社しやすさは群を抜いています。また、有給休暇に関しても事前に周囲と調整さえしておけば、スムーズに取得できるコントロール度の高い環境です。
【職場のカルチャー】世間のイメージとのギャップ
「大手証券会社」と聞くと、お堅くて静かなオフィスを想像するかもしれませんが、実際のカルチャーは「株価の動き(相場)によって職場の天気がガラリと変わる空間」です。
市場が動いている時間帯は、営業担当がお客さまと電話で注文のやり取りを激しく交わしているため、事務所内は常に活気に満ちており、秒単位の株価の変動に伴う会話が飛び交っています。ただ、この業界の最大の特徴は、職場の人間関係や空気感が「その日の株価」に強烈に左右されるという点です。
全体的に株価が上がっている日は、オフィス全体が明るく、営業担当の機嫌も非常に良いのですが、相場が暴落して全体が下がっている日は、職場全体がピリピリとした緊迫感に包まれます。喜怒哀楽や機嫌を表に出すタイプの社員も少なくないため、世間の「常に冷静でスマート」というイメージとは異なり、かなり人間臭い体育会系のパワーを感じるギャップがあります。どんな時でも常に穏やかでアットホームな環境を求める方にとっては、この独特のピリつき感が少しプレッシャーに感じてしまうかもしれません。
【収入と待遇】リアルな相場感
気になるお給料のリアルですが、専門資格(証券外務員)が必要な窓口業務に関しては、一般的な事務派遣の相場を大きく上回る高い時給が用意されています。
私が勤務していた当時、周辺の一般的な事務派遣の平均時給が1,300円前後だったのに対し、証券窓口の私の時給は1,500円でした。資格手当が含まれているような形なので、同じ時間働いても手元に残るお給料の余裕はかなり大きかったです。昨今の物価高に伴い、現在の派遣時給はさらに上昇傾向にありますが、依然として高時給案件としての存在感は抜群です。(※資格が不要なバックオフィス事務の場合は平均的な時給相場になります)
一方で、大手企業の営業店ならではの待遇面の盲点もありました。私が配属された支店はコンパクトな店舗だったため、本社のような社員食堂や専用のロッカールームがなく、正社員も含めてお昼休みは会議室の一室でお弁当を食べるスタイルでした。大企業だからといって、すべての拠点で華やかなオフィス環境の恩恵を受けられるわけではない、というリアルな一面もあります。
【向き不向き】こんな人におすすめ・ちょっと合わないかも
高時給と定時退社が魅力的ながら、独特のピリピリ感も併せ持つ証券会社。こちらも「私の性格や理想のライフスタイルに合うかな?」と迷う方のために、リアルな向き不向きを整理しました。
まず、この職場がぴったりハマるおすすめな女性は、以下のような方です。
- 「証券外務員」の資格を活かして、他の一般事務よりも効率よく高い時給を稼ぎたい方
- 15:00の市場終了に向けて集中して働き、定時になったらサクッと私生活に切り替えたい方
- 日々の株価の動きやニュースを面白いと感じられ、お金や資産運用の仕組みを学びたい方
- 周囲の社員の一時的なピリピリ感を「仕事は仕事」と割り切り、良い意味でドライに受け流せる方
一方で、「少し合わないかもしれない、注意が必要な女性」は、以下のようなタイプです。
- 職場の人間関係に常に「絶対的なおだやかさ」や「アットホームな優しさ」を求めたい方
- 株価の暴落などで周囲の空気が重くなったとき、自分のせいではないのに過度に気疲れしてしまう方
- 書類の細かな不備をチェックするのが苦手で、大まかなルーティンワークを好む方
- 数字や金融商品、日経新聞などのトピックにどうしても全く興味が持てない方
【まとめ】この職場を経験して得られたもの
証券会社での3年間を振り返ると、相場に振り回されるオフィスの空気に少し疲れることもありましたが、女性のこれからの人生において「最強の自立スキル」を手に入れるための、非常に有意義なステップだったと感じています。
ここで働き、証券外務員の知識を得たことで、日々のニュースの裏側や金融商品の仕組みが手に取るように分かるようになりました。現在の資産運用ブームにおいて、他人任せではなく「自分の家庭の預貯金をどこに投資すべきか」を自分で正しく判断できるようになった金融リテラシーは、一生モノの財産です。
一社に骨を埋める必要はありません。この業界の高い時給を賢く受け取りながら、私生活の時間をきっちりキープし、ついでに自分の資産を増やすための強力な知識をタダで学んでしまう。そんな風に会社を自分の人生を豊かにするための踏み台として賢く活用するマインドで、スマートに一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。あなたの仕事選びの参考になれば幸いです。
「派遣先選びで失敗したくない」「もっと自分らしく働きたい」という方へ。
これまで10社以上を経験し、多くの派遣会社を利用してきた私が、「本当に頼りになる事務系派遣会社」だけを厳選してまとめました。公式サイトには載っていないリアルな本音を大公開しています。


